本記事では、私自身が実際にパニック障害を患い、奮闘している様子を日記のように記載しております。現在も奮闘中ではありますが、少しでも同じ辛さを感じている人の心のよりどころになれれば幸いです。
なんだこれ!?突然訪れる謎の不安
私が20代半ばで転職をした頃、いきなり謎の不安に襲われました。
当時は不安という感情を強く気にしたことがなく、「何かソワソワする…」「意味もなく動悸がする」といつもの身体ではなかった初めての感覚に陥りました。
正直、何が起こっているかも分からず、とにかく走る、音楽を聞くなど気を紛らわそうとしましたが、全く効果がなく不安でどうにかなりそうになってました。
とにかく、寝て落ち着かせようにも眠れず、人生で初めて睡眠BGMを流して寝たことを今でも覚えています。
当時は障害というものに全く知識がなく、「何か体に重大な異変が起こっているのか?!」を感じ、翌日内科へ受診しました。
しかし、受診しても特に異常はなく、内科の先生から初めて「パニック障害の可能性がある」と話を聞き、そこで初めて障害について知りました。
自分が障害?!ということを知らされ、当時非常に焦っておりました。
私自身、障害という言葉を重く受け止めていたこともあり、「自分は障害者なんだ…」と落胆した記憶は今でも覚えています。
内科の先生に勧められ、心療内科を受診することにしました。
そこで話をしていると、パニック障害、もしくは全般性不安障害の可能性が高いと言われ、経過観察しながら服薬を行うことにしました。
調べることへの恐怖…
私がパニック障害と診断されてから、障害についてよくネットで調べておりました。
そもそもどのような障害なのか?治るのか?服薬以外に治療方法はないのか?など、調べれば調べていくうちに怖くなることが沢山ありました。
これは皆さんも体験したことがあるかもしれませんが、「パニック障害の人は美容院に行けない」など障害による影響などを目にすると、試していないにも関わらずそれができないという認知に変わってしまいました。
他にも電車に乗れない、人混みが苦手など、今まで気にもしていなかったことまで気になるようになり、今までできていたことが殆どできないようになりました。
スーパーでの買い物すらしんどくなる…
先程お話したように、日々の生活でチャレンジしてもいないのにできない(怖い)ことが非常に増えました。
電車に乗れないのはもちろんのこと、バスやタクシー、公共施設など、少しでも逃げ場がないと感じる場所に行けなくなりました。
特に私が一番辛かったのはスーパーでの買い物です。
当時、一人暮らしをしていた私は毎日の食料品や日用品をスーパーへ買い物をする時に、買い物かごに食料品を入れるたびに「レジで購入するまで店から出られない」という感覚に陥り、何度も品を戻してスーパーを出たことがあります。
酷い時は買い物かごいっぱいに品物を入れてレジに並んでいた時に急にしんどくなり、店の端にかごを置いて外に逃げたことがあります。
それぐらいスーパーで買い物をすることに抵抗を感じていました。
パニック障害は暴露療法で徐々に苦手な場所を慣らしていく手段も治療法でありますが、私は当時都会に住んでおり、且つ土地勘もなかったので一人で対処するしかありませんでした。
だから、チャレンジしたくても、「もし何かあったらどうしよう…」という気持ちが先に来てしまい、チャレンジすらできず引きこもってしまう状態にまで陥りました。
当時は新しくリモートでできる仕事に切り替えたため、多少の収入があったのですが、買い物ができないことからデリバリーでご飯を頼む回数が非常に増え、貯金がどんどん減っていく一方で金銭的な不安にもかられていました。
通院への不安
一般的に病院へ行くと逆に安心する人が大半だと思いますが、私は全く逆でした。病院にいくともちろん予約していても待ち時間が発生し、且つ他の人も沢山いる環境が非常に辛かったです。また、実際先生と話をしている時も、いわば閉鎖空間の個室で話しているわけですから、当然早く出たい、帰りたい、ここで発作が起きたら…という感情が常に湧いてました。
その話を先生にすればいいものの、これが中々できずにとりあえず薬を出してもらうために淡々と話しを切り上げていました。
不思議なことに、面談が終わると不安って消えるもんなんですよね。
勿論、会計までに待合室で待たないといけないのですが、一山超えたかのような安心感から以前のようにリラックスして待つことができました。
当時は2週間に1回の通院頻度から、徐々に月一回の頻度へ変えましたが、時間が空くとどうしても「慣れ」が消えてしまうので毎月の通院が苦痛でなりませんでした…
心の底から、リモートで診断して薬も配達できる環境なんかあればいいなと思っておりました。
身体的な異変
身体的な異変で一番大きかったのが、神経が非常に敏感になりました。
元々大きな音や少し刺激の強い映像などは苦手ではあったのですが、大きく変わったと感じたのが朝のニュースを見るのが辛くなったことです。
今まで何とも思っていなかった事件の話や事故などのニュースが刺激が強すぎて見れなくなったのです。
他にも体の火照りや、寒い、熱いなどの感覚が人よりも過敏になり、1日に何度も服を着替えていた自分がいました。
元々幼い頃から運動はしていたのでなるべくウォーキングをすることを心がけていましたが、「動悸=発作」と脳が勘違いしてしまうため、気が付けばランニングすらできなくなりました。
その他もろもろ影響していたのか、気が付けば運動不足になり、暴露療法もできず、ただただ薬を飲んで過ごす日々を過ごしていました。
最大の決断
パニック障害を発症してから約2年間、特に大きな変化も見られず、独身の私は30代にも突入しており将来への不安を重なるようになりました。
このままでは、一生この状態が続いてしまう、旅行や趣味の充実など、他の人が楽しんでることもできないまま一生を終えるのか?と本気で考えるようになり、恥ずかしながら仕事を辞めて実家に帰省することにしました。
正直、もっと早く決断しておけばよかったと今でも後悔してますが、決断に至れなかった一番の理由は引っ越しへの恐怖でした。
まず引っ越し業者や不動産屋とのやり取り、そして実家までの車移動でした。
もちろん、都会に住んでいたこともあり、電車に乗れない状況から両親に迎えに来てもらいました。
ただ、迎えに来てもらえたことはいいのですが、実家に帰る際に高速道路を通ることが一番不安が大きく、車に乗車してからすぐに横になりとにかく寝て乗り過ごしていたことを今でも覚えています。
帰省してから…
実家に帰省してからは、安心して治療に専念できる!と思っていたのですが、一人暮らしとは異なり共同生活になるので、逆に周囲に迷惑をかけてはいけない、発作を起こしてはいけないなど余計な思考が出てくるようになりました。
幸い、地元の昔からある病院の先生が診察してもらえることになり、通院などに困る必要はありませんでした。
また、田舎出身なので自然が多い環境が自分に合っていることもあり、少しずつ日中に外出できるようにはなりました。
ただ都会と異なり気温差が激しく、また断熱効果も賃貸に比べると低いのか季節の変わり目は毎度風邪をひきます(笑)
これからの過ごし方
現在40代に突入し、パニック障害とは10年以上付き合っております。
徐々に活動範囲は増えてきているものの、まだ遠方まで旅行に行くことはできません。
今でも外出する時は薬(頓服)と水がないと外出できません。ちなみに近所をウォーキングするだけでもこの2点がないと不安にかられます。
そんなこんなで症状が劇的に改善されたかというと、正直全くです。(笑)
ただ、薬を飲みながらでも好きな釣りに出かけたり、最近は多少ジョギングぐらいはできるようになってきたことで少しずつ成功体験が積めるようになってきました。
仕事も知り合いの農家さんのお手伝いレベルですが、始められるようになりました。
まだまだ戦いの日々は続きますが、とにかく焦らないことが一番だと先生からも言われていますし、私自身もそう思います。
今の状態をネガティブに捉えず、今の状態でも最大限楽しめる人生を送れるようにしていきたいと思います。
本当に、パニック障害って辛いですよね、怖いですよね。
でも、あなただけではないので、安心してご自身のペース・やり方で乗り越えていただければいいと思います。
私は知らなかったですが、お仕事に困られている方などは遠慮なく就労移行支援などの福祉サービスを利用したらいいと思います。
使える制度・サービスで利用できるものは存分に利用していいと思います。
後で恩返しをすればいいだけなので、今はしっかりご自身と向き合ってあげてください。
この記事を見ていただいてる方はパニック障害の方や、そうでない方もおられると思います。
少しでも多くの方に症状の辛さや、周囲に同じ状況の方がいらっしゃれば手助けしたいと思いを抱いていただけると幸いです。
もし当事者の方がいらっしゃれば、焦らず、頑張りすぎず、本当に少しずつでいいから前に進んでいきましょう!
私も頑張ります。
最後までお読みいただき、有難うございました。